バリュー投資とは何か
バリュー投資とは、「本来の価値よりも割安な株を買って、その株が正当な価格で評価されるまで待つ投資手法」のことです。
たとえば、とある企業「A社」の事業の状態やポテンシャル、売上の状況などから総合的に判断すると、本来1株1,000円の価値があると算定されるとします。しかしその頃日本経済全体が低迷しており、A社の株は700円の値しかついていませんでした。そこで個人投資家のBさんは、その時点でA社の株を買っておき、A社の株価が市場から正当に評価される時期を待つことにしました。結果、約1年後にA社の株価はBさんが評価していた通りの1,000円までに上昇。BさんはそこでA社の株を売り払い、最終的に300円の利益を得ることができました。
上記の例のような投資手法が、まさに「バリュー投資」です。バリュー投資は世界的に著名な投資家、ウォーレン・バフェット氏の得意な手法として知られており、長期型投資に向いています。
バリュー株を見分ける方法って?
さて、バリュー投資のスタイルで投資をするには、まず割安な株(バリュー株)を見つける必要があります。では、数ある銘柄の中から、どうやってバリュー株を見極めれば良いのでしょうか?
バリュー株を探し出す上で鍵となる指標が
- PER(株価収益率)
- PBR(株価純資産倍率)
の2つです。
PERというのは「時価総額÷純利益」の計算式で求められる指標で、端的に言えば株価と収益の関係性を表します。基本的にはこのPERが低ければ低いほど株価が「割安」だと判断できます。一般的には、PERが15倍以下であれば割安だとされることが多いようです。
PBRは「株価÷1株あたりの純資産」という計算式で求めることができ、こちらは株価と純資産の関係性を示しています。PBRに関しては概ね1倍〜1.5倍ほどだと、基本的に割安だと言えるでしょう。
バリュー投資のメリットとデメリット
他の数ある投資手法と同様、バリュー投資にもメリットとデメリットの両方が存在します。ここでは、バリュー投資の代表的なメリット・デメリットについていくつか見ていきましょう。
バリュー投資のメリット
バリュー投資の大きなメリットは、「成功すれば大きなリターンを期待できる」という点。バリュー投資はあくまで本来の価値に比べて「割安」な銘柄にのみ投資するメソッドですから、仮に目論見どおり株価がマーケットで正当評価されるようになれば、高いリターンを得ることができます。
また、日々の細かい値動きに気を配る必要がないのも、バリュー投資ならではのメリットです。バリュー投資は企業が持つ本来の価値に着目した長期投資の手法ですので、毎日のようにチャートをチェックする必要がありません。これは特に兼業で投資を行っている投資家にとっては嬉しいポイントですね。
バリュー投資のデメリット
バリュー投資の一番のデメリットは、「割安な株を正しく見極めるのが難しい」という点です。
バリュー株を見極めるための指標としては先述の通りPERやPBRなどがありますが、単にこれらの数値が低いだけでは、本当に割安なのか、それとも単に業績などが悪化しているだけなのかがはっきり判断できません。
そのため本格的にバリュー投資で成果を上げようと思ったら、こうした指標のみならず、事業内容や財務状況などを細かくチェックする必要があります。ビジネスや財務に関する知識が不足していると、「割安かどうか」の見極めを誤ってしまいかねません。
バリュー投資についてのまとめ
それでは最後に、今回の要点を簡単にまとめてみましょう。
- バリュー投資とは、本来の価値よりも割安な株を買って、その株が正当な価格で評価されるまで待つ投資手法のこと
- バリュー株を見極めるには、PERやPBRといった指標を参考にする
- バリュー投資は成功すれば大きなリターンを期待できるが、割安株の見極めが難しい
バリュー投資に興味が湧いてきた方は、ぜひこれを機に関連知識を深めてみてくださいね!