FXにおける指値とは、具体的なレートを指定する注文方法のこと
FXトレードにおいて最も基本的な注文方法となるのが、「指値注文」と「成行注文」の2つです。このうち「指値注文」(あるいは指値)とは、具体的に売買したい為替レートを指定して注文を出す方式のことになります。
たとえば、現在のドル円相場が1ドル=110円だったとします。このとき、「1ドル=113円になったら売る」とレートの条件を指定するのが指値注文です。逆に買う場合であれば、「1ドル=105円になったら買う」という具合ですね。
指値注文と成行注文の違いは?
もうひとつの代表的な注文方法である「成行注文」は、「今のレートで売る/買う」というシンプルな方式。為替相場はリアルタイムで変動しているので、実際に注文が確定したときにはタイムラグによってレートが変わっている可能性がありますが、取引はそのまま実行されます。
それに対し、指値注文は「このレートになったら売る/買う」と条件をつけて絶対値を指定するので、成行注文とは随分性質が異なりますよね。
指値注文のメリットとデメリット
それでは、指値注文を選ぶことにはいったいどのようなメリット、そしてデメリットがあるのでしょうか?
指値注文のメリットは何と言っても、「自分の希望するレートで取引できる」という点です。成行注文の場合、特に為替相場の値動きが激しいときには、自分の思っていたレートとは違う価格で売買されてしまうことが十分考えられます。一方指値注文であれば、基本的に注文時に指定したレート以外で取引が実行されることはないので、確実に狙った価格で売買を行うことができるのです。
さらに、昼間お仕事をされているサラリーマンなど、パソコンの前でじっとして値動きをチェックする時間がない方にとっては、いわば「事前予約」のような形で注文を出せる指値注文はとても便利だと思います。
指値注文のデメリットは、「指定したレートにならない場合、なかなかトレードが成立しない」という点。指値注文では希望条件を具体的に指定するので、当然そのレートに到達しない場合は取引が行われることはありません。つまり、為替相場がずっと指定レートまで届かないという事態になった場合、延々と待つことになってしまいかねないわけです。
また、たとえば「1ドル=120円になったら売る」と指定して指値注文を出したときに、「1ドル=119円」まで上昇したにも関わらず、その後どんどん下がってしまった、というケースもありえます。この場合「1ドル=119円」のときに売っていれば希望価格に限りなく近いレートでトレードできていたわけなので、ちょっと惜しい気がしてしまいますよね。
指値についてのまとめ
ここまで、FXトレードをする際に押さえておきたい「指値注文」について見てきましたが、いかがでしたでしょうか?最後におさらいを兼ねて、重要なポイントをリストアップしてみました。
- FXには、基本的な注文方法として「指値注文」と「成行注文」がある
- 指値注文(指値)とは、売買を実行する為替レートを条件指定して注文を出す方式のこと
- 指値注文のメリットは、希望のレートでトレードを行えること
- 指値注文のデメリットは、為替相場の流れによってはなかなか取引が成立しないこと
今回ご紹介した「指値注文」と「成行注文」についてきちんと理解しておかないと、そもそもFX取引を実際に始めることができません。ただ、少し「指値」と「成行」という用語が紛らわしくて最初は混乱してしまうかもしれないものの、特に難しいことを言っているわけではないので、すぐに慣れますよ!ぜひ自分のスタイルに合わせて、より便利な注文方法を選んでみてくださいね。