追証とは何か?
追証とは、証拠金維持率が規定の割合を下回ったときに、追加入金が必要になること
FXにおける「追証」とは、FX会社に預けている証拠金が規定の維持率を下回ったときに、追加入金を求められることを言います。
FXでは、「レバレッジ」と言って、自分が保有している金額以上の取引を行える制度があります。たとえば資金が10万円でレバレッジが10倍であれば、100万円分の取引が可能なのです。
レバレッジのおかげで、自分の保有資金以上の額を扱える分、相場が予想通りに推移した場合の利益は大きくなります。しかし逆に、相場の推移が予想と外れてしまえば、損失も膨らみ、ケースによっては預けた証拠金以上のロスが発生してしまう事態も考えられますよね。そこでFX会社は、「証拠金維持率が◯◯%を下回ったら、トレーダーに警告する」という仕組みを作り出しました(割合は業者によって異なります)。
相場変動によって証拠金維持率がこの規定の割合以下になった場合、FX会社から「◯日の◯時までに証拠金を追加で入金してください」という通知が送られてきます。これが追証です。
設定された期日までに追加入金しないと、現在のポジションは強制的に決済されてしまいます。
どのようなときに追証が発生するの?
それでは、一体どのようなときに追証が発生するのでしょうか?具体的な例を使って考えてみましょう。
たとえば、証拠金維持率が50%を下回ると追証が発生するA社でFX取引をすることにしたとします。あなたは証拠金として20万円を預けて、1ドル=100円のときにレバレッジ10倍で200万円分のドル(2万ドル)を買いました。このときの証拠金維持率は、「20万円(預けている証拠金)÷20万円(ポジションを保有するために必要な額)=100%」となります。
それから1週間後、為替相場が変動して1ドル=95円に。あなたは2万ドルを持っていますから、日本円での評価額は190万円。10万円の含み損となってしまいました。この含み損は当然預けている自分の証拠金から引かれますから、この時点の証拠金は20万円-10万円=10万円です。
証拠金維持率を計算してみると、「10万円(預けている証拠金)÷20万円(ポジションを保有するために必要な額)=50%」になりますね。A社が規定している証拠金維持率である50%にまで下がってしまったので、ここで追証が発生。FX会社から追加入金を求めるアラートが来るというわけです。
追証のリスクを減らすにはどうすれば良い?
さて、できる限り追証が発生してしまわないようにトレードを行っていきたいところですよね。どのようにすれば、追証発生のリスクを減らすことができるのでしょうか。
主な対策としては、2つあります。ひとつは、単純に「規定の証拠金維持率が低いFX会社を選ぶ」という方法です。追証発生の条件となる証拠金維持率は、FX会社がそれぞれ独自に定めています。30%のところもあれば、70%のところもあり、業者によって幅があるのです。
なので、この割合が低めの業者を選んでFX取引をすれば、追証を求められる可能性が低くなり、トレードしやすくなると言えるでしょう。ただもちろん、証拠金維持率が低くなるということは、それだけ「ギリギリ」の取引をしているということになりますから、自分で十分注意しておく必要があります。
もうひとつの対策は、「やみくもにレバレッジを上げすぎない」という心構えを持つことです。レバレッジを上げれば上げるだけ、儲かったときの利益は膨らみますから、ついつい安易に高いレバレッジを使ってしまいがち。
ですが特に初心者のうちは、「レバレッジが高ければ、損失が大きくなるリスクも増え、その分追証が発生しやすくなる」ということを肝に銘じて、あまり安直に高すぎるレバレッジを利用しないようにしましょう。より高いレバレッジで勝負するのは、FXの知識をたくさん身に付けて、十分な経験を積んだ後からでも遅くはありません。
追証についてのまとめ
最後に、今回ご紹介した内容の要点をリスト形式でまとめてみました。
- 追証とは、相場変動によって規定の証拠金維持率を下回った際に、追加入金を求められること
- 追証発生後に追加入金しなかった場合、ポジションが強制決済されてしまう
- 追証の発生条件となる証拠金維持率は、FX会社によって異なる
- FX初心者のうちは、追証のリスクを下げるため、レバレッジを高くしすぎないことも大事
正しい知識こそが、あなたの大切な資産を守ります。追証や為替相場変動によるリスクを十分理解した上で、FXトレードにチャレンジしてみてください!