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日銀短観とは何か?

日銀短観とは、日本銀行が発表する「国内景気の観測調査」のこと

日本の中央銀行である日本銀行(日銀)は、年に4回、日本中の企業に対して一斉アンケートを実施し、その集計結果を元に国内景気の状況や先行きを分析して公表しています。これが「日銀短観」です。日銀短観は毎年4月・7月・10月・12月に発表されています。

日銀短観は企業経営者に対する直接のアンケート結果を元にしているので、国内景気の状況や今後の見通しを測る上でとても貴重な情報となります。その注目度は、日本国内の投資家のみならず、海外の投資家からもチェックされているほどです。少しでもFXなどの投資をしているなら、必ず見ておくべきものだと言えるでしょう。

 

なぜ日銀短観が重要視されているのか

それでは、なぜ日銀短観はそれほど重要視され、信頼されているのでしょうか?それには様々な要因がありますが、中でも大きな理由は「調査対象の企業数が約1万社と圧倒的であり、かつ回答率が平均99%を超えているため、国内の景況感を比較的正確に反映している」という理由です。

また日銀短観は、調査規模の大きさにもかかわらずアンケート実施後の約1ヶ月後に発表されており、そのリアルタイム性も魅力となっています。さらに調査分析は業種や企業規模ごとに細分化されて行われているため、より的確な景況判断ができるのも特徴です。

 

特に注目度が高い「DI(業況判断指数)」

毎回の日銀短観において公表される指標の中でも、特に投資家からの注目度が高いのが「DI(業況判断指数)」と呼ばれるものです。日銀短観のアンケートでは、企業の経営者に対して現在の業況と今後の先行き見通しを訊ねる項目があります。選択肢は「良い」「さほど良くない」「悪い」の3つに分かれており、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値が、DIです。

たとえば30%の企業が「良い」と答えて、25%の企業が「悪い」と答えたとすれば、DIは「5ポイント」となります。当然、DIがプラスであれば景気は良く、マイナスであれば逆に悪い、ということが言えます。DIは国内の景況をはっきりと指し示し、比較的信頼性も高いため、多くの投資家が参考にしている指標です。

 

日銀短観はFXにどう影響する?

日銀短観の公表結果は、FXのトレードにも影響してきます。日銀短観の結果が事前予想や前回の結果よりも良かったとします。そうすると、日本の景気は良くなっているということになりますので、段々と消費者の支出が増え、好景気のサイクルが生まれだします。景気が上昇しだすと徐々に物価の上昇が始まり、インフレが進行します。すると日銀は、物価と円の価値を安定させるため、金利を上げます。そして日本の金利が上がれば日本円を保有したいという投資家が増えますので、円高が引き起こされるというわけです。

つまり、日銀短観の結果が良ければ円高に繋がる可能性が高く、悪ければ円安に繋がる可能性が高いということですね。そのため、FXトレードをしているなら、日銀短観は毎回欠かさずにチェックするのをおすすめします。

 

日銀短観についてのまとめ

最後にまとめとして、ここまでの内容の要点を箇条書きでまとめてみたいと思います。

  • 日銀短観とは、日銀が年4回結果を公表している、国内景気の観測調査のこと
  • 日銀短観は調査規模の大きさやリアルタイム性などから、高い注目度を誇る
  • 日銀短観の中の「DI(業況判断指数)」は、国内景気に関する信頼できる指標として有名
  • 一般的に、日銀短観の結果が良ければ円高に繋がる可能性が高まり、悪ければ円安に繋がる可能性が高まる

日銀短観は、FXを始めるならぜひチェックしておきたいとても重要な情報源です。これまであまり気にしていなかったという方は、ぜひ次の日銀短観から忘れずに確認してみてくださいね。