中央銀行とは何か?
中央銀行とは、その国の金融システムの中心となる機関
中央銀行とは、「その国の金融システムや金融機関の中核となる特別な機関」のことです。
中央銀行は世界各国に存在し、日本では「日本銀行(日銀)」、アメリカでは「連邦準備制度理事会(FRB)」、EUでは「欧州中央銀行(ECB)」がそれにあたります。
中央銀行の一番の使命は、景気や物価などの安定を保ち、その国のスムーズな経済成長を促すことです。そのために必要な金融政策を随時策定、実行していくことによって、いわば経済全体や通貨、金融の「番人」としての役目を果たしているのです。
中央銀行が担う3つの主要な役割
中央銀行には、大きく分けて3つの主要な役割が存在します。この3つの役割について、順番に見ていきましょう。
中央銀行の役割①
中央銀行の一つ目の役割は、「紙幣の発行」です。
紙幣、つまりお札を発行できるのは、中央銀行だけ。経済の状態や物価の安定度などを見極めつつ、中央銀行は紙幣を独占的に発行します。
中央銀行の役割②
二つ目の役割は、「銀行の銀行」です。
私たち消費者や企業は、日頃から銀行にお金を預けたり、必要な資金を借りたりしていますよね。それと同じように、一般の民間銀行も、中央銀行に口座を開設してお金を預けたり、資金を借りたりしているのです。
中央銀行の役割③
三つ目の役割は、「政府の銀行」です。
国債の発行や税金などによって得られた国の収入は、中央銀行に預け入れられます。そして公共事業などで国がお金を利用を行いたい時には、中央銀行の預金口座から出金されるという仕組みになっているのです。まさに、「政府が利用する銀行」として機能しているわけです。
景気を調節するための「公開市場操作」とは?
さて、中央銀行はもうひとつ、忘れてはならない重大な使命を担っています。それが「景気の調節」です。
日本の中央銀行である日本銀行は、主に「公開市場操作(オペレーション)」という手段によってこの景気調節を行っています。
公開市場操作というのは、銀行を始めとする民間金融機関との国債や手形などの売買を通じて、景気を安定させる手法のことです。
景気が悪い時の公開市場操作
たとえば今、景気が悪化してデフレになっているとします。景気が良くないということは、世の中のお金の流れが悪くなっているということですよね。
そこで日本銀行は、公開市場操作の一環として、民間銀行が持っている国債を買い取ります。日銀が国債を買い取れば、民間銀行は手持ちの現金が増えますから、企業や個人にお金を貸し出しやすくなり、金利は低下していくことになります。
すると世の中のお金の巡りが良くなり、景気改善に向かいやすくなります。
景気が良い時の公開市場操作
それでは、景気が良くてインフレ気味のときには、どうなるのでしょうか?
この場合、デフレ時とは逆のことが起こります。インフレになると今度は、日本銀行は民間銀行に国債を売り出します。
つまり民間銀行の側が国債を買うことになるので、民間銀行の手持ちの現金は減少。世の中に出回るお金の量が減るので、金利は上昇方向へと向かい、景気の過熱は抑制されていきます。
中央銀行についてのまとめ
それでは、最後に中央銀行についての重要ポイントをピックアップして振り返ってみましょう。
- 中央銀行とは、その国の金融システムの中核を担う特別な機関のこと
- 日本では、日本銀行(日銀)が中央銀行にあたる
- 中央銀行には、「紙幣の発行」「銀行の銀行」「政府の銀行」といった役割がある
- 日銀は、民間金融機関との国債・手形の売買を通じた「公開市場操作」によって景気を調節している
FXをする上では、中央銀行に関する知識が欠かせません。ぜひ皆さんもこれを機に、中央銀行についてしっかり理解しておいてくださいね。