金利変動リスクとは何か
金利変動リスクとは、その名の通り「各国の政策金利が変動することによって生じるリスク、不確実性」のことです。ご存じの通り、政策金利というのはその国の経済状況などに応じて適宜変更されていきます。多くの国では日本以上に頻繁に政策金利の変更が実施されているため、それによって自身の資産が影響を受ける可能性は常にあります。
金利変動リスクの影響を一番受けやすいのは、やはり債券投資でしょう。債券価格の急上昇、あるいは急落の一番の要因は金利変動にあります。もちろん金利変動リスクが付きまとうのは債券投資だけの話というわけではなく、その他にも多くの投資商品がその影響を受けます。FXとて例外ではありません。
金利変動リスクとスワップポイントの関係
FXの場合、金利変動リスクは「スワップポイント」と大きく関係してきます。スワップポイントというのは、「金利の低い通貨を売って、高い通貨を買う」ことによって、その通貨を保有している間定期的に得られる金利の差額のこと。このスワップポイントでの安定的な利益を狙ってFXをする投資家も少なくありません。
しかしこのスワップポイントで気を付けておきたいのが、今回のテーマである金利変動リスクです。実は、政策金利の変動によって仮に2通貨間の金利差の高低が逆転してしまえば、スワップポイントを「もらう」のではなく、今度は「払う」必要が出てくるのです。また、そのような事態にはならなくとも、金利差が縮まって得られるスワップポイントが急減してしまうというのは珍しい話ではありません。スワップポイント狙いでFXをするなら、その国の金利変動には注意する必要があります。
金利変動リスクに対処するために必要なこととは?
それでは、FXで金利変動リスクに上手く対処するためには、どうすれば良いのでしょうか? まず考えられる対策のひとつが、「スワップポイント狙いなら、なるべく金利差の大きい通貨ペアを選ぶ」という方法です。当然、金利差が大きければ大きいほど、スワップポイントで損失が発生する可能性を軽減できますよね。可能であれば、過去の金利変動の履歴を調べて、変動の少ない通貨を選ぶのが理想的です。
そしてもう一つ大切なのが、「保有通貨の国の情勢やニュースに常にアンテナを張っておく」という姿勢です。政策金利の変更は、理由なしに行われるわけではありません。金利変動の前には、その変動を予感させるようなバックグラウンドがあるものです。日頃から、保有通貨の国に関する情報はまめにチェックするようにしておきたいですね。
金利変動リスクについてのまとめ
ここまで「金利変動リスク」とFXの関係について基礎から確認してきましたが、いかがでしたでしょうか? 最後に、今回の要点をピックアップしてまとめてみましょう。
- 金利変動リスクとは、各国の政策金利が変動することによって生じるリスクや不確実性のこと
- FXでは、金利変動によってスワップポイントの利益が減少したり、逆にスワップポイントの支払いが発生してしまったりする可能性がある
- 金利変動リスクに対処するには、金利差の大きい通貨ペアを選んだり、保有通貨の国のニュースに気を配ったりすることが大切
特にスワップポイントでの利益を狙ってFXをしている方は、今回ご紹介した「金利変動リスク」によく注意するようにしてみてください!