スプレッドとは何か?
FXのスプレッドとは、いわゆる「手数料」のようなもの
FXにおける「スプレッド」とは、証券会社に支払う手数料のようなものです。よくニュースの為替相場コーナーで、「1ドル102円61銭から65銭」といった表現を聞くことはありませんか? これは「1ドルは102円61銭から65銭の間のどれか」という意味ではなくて、「1ドルの売値は102円61銭で、買値は102円65銭」であることを意味します。
「売値」というのは、その通貨を売りたいときに売れる値段のこと。「買値」は、その通貨を買いたいときに買える値段のことです。通常、買値は売値よりも高く設定されています。この売値と買値の差こそが「スプレッド」で、この差額が証券会社の利益になります。
スプレッドの仕組み
スプレッドには「狭い」「広い」という表現を使います。スプレッドが狭ければ(差額が少なければ)手数料が安くて、スプレッドが広ければ(差額が多ければ)手数料が高いというイメージです。
このスプレッドは証券会社毎に異なっており、同じ相場でも、どの証券会社を選ぶかによって差が出てきます。証券会社を選ぶときには、このスプレッドの広さにも着目しておく必要があります。
スプレッドが違うとどのくらい影響があるの?
それでは、スプレッドが変わると、FX取引の際に実際どのくらいの影響があるのでしょうか?少し例を使って見ていきましょう。
たとえば、AさんはFXで月間あわせて10万ドル分の取引をしているとします。Aさんが使っているX証券は、スプレッドが1銭に設定されていました。すると1ヶ月にかかる手数料は0.01円×10万で「1,000円」になりますね。
一方Bさんは、Y証券を利用して、Aさんと同様、1ヶ月で合計10万ドル分の取引をしました。Y証券では、スプレッドが5銭に設定されています。そうすると、Bさんが1ヶ月に払う手数料は0.05円×10万円で「5,000円」となります。
このように、スプレッドが違うと、同じ額のFX取引でも、かかるコストに大きな差が出ることがわかりました。レベレッジを使って多額のFX取引を何度も行うようになると、このスプレッドによるコスト差はどんどん拡大していきます。もし10万ドルではなくて100万ドルの取引をするようになれば、X証券とY証券のスプレッドはそれぞれ1万円と5万円に。一見スプレッドの差は些細な額に見えますが、本格的な取引をするようになると、無視できない違いが生まれます。
最近では「原則固定スプレッド」が主流に
かつては、為替相場によって適宜スプレッドが変動する「変動スプレッド」が一般的でした。しかし最近では、相場にかかわらず基本的にスプレッドが固定されている「原則固定スプレッド」を採用する証券会社が多くなっています。
ですから、証券会社を比較する際には、(原則固定スプレッドであれば)それぞれのスプレッドを見てみることで、ある程度実際にFX取引した際のコストを予測できます。ただし「原則」という単語がついている通り、原則固定スプレッドの額はあくまで基本的な額であり、為替相場の変動が激しいときなどには変化することもあるので注意してください。
スプレッドについてのまとめ
最後に、スプレッドの主要なポイントをまとめてみましょう。
- スプレッドとは、売値と買値の差額のことで、証券会社への手数料のようなもの
- スプレッドは証券会社によって異なるため、比較時に注目しておく必要がある
- 現在は「原則固定スプレッド」が主流となっているが、あくまで「原則」なので注意
スプレッドは、FX初心者が最初に知っておきたい基礎用語のひとつ。スプレッドの違いは一見些細なように見えますが、後々取引量が多くなるに連れてどんどんその差が重くのしかかってくるので、軽視せずにしっかり比較して見極めることが必要です。証券会社を選ぶときは、ぜひスプレッドにも注目してみてくださいね!