成行とは何か?
成行とは、価格を指定せず、その場で売ったり買ったりする注文方法のこと
成行とは、FX取引における注文方法のひとつで、「レートを指定することなく、注文時点ですぐに売ったり買ったりする方法」のことです。よく「成行注文」という呼び方もされます。
FXでトレードするには、当たり前ですが、注文を出して通貨の売買をする必要がありますよね。実はこの注文にはいくつかの方法が用意されており、「どの方法で注文を出すか」を自分で決めることができます。
成行注文は、中でも代表的な方法のひとつで、どのFX会社を使っても必ず見つけることができるはずです。業者によっては「ストリーミング注文」や「マーケットオーダー」など違う名前で呼ばれていることもありますが、基本は変わりません。「今売りたい!/買いたい!」と思った時に、すぐにその場で売買が実行されるのが成行注文です。
成行注文では、売買の条件をレートで指定することはありません。大きな範囲でいうと、注文時に指定するのは、「売るのか、買うのか」という点のみ。とにかく現時点で売買してしまいたい、というときにぴったりな注文方法になります。
成行注文と指値注文の違いを比較
FXにはもうひとつ、どのFX会社でも用意されている代表的な注文方法が存在します。それは「指値注文」です。この指値注文と成行注文の2つが、FXのもっとも基本的な注文方法だと言えるでしょう。
それでは、この2つの注文方法の違いは何なのでしょうか?最大の違いは、指値注文では「売買時のレートを指定できる」という点です。
指値注文というのは、「為替レートが1ドル◯◯円になったら売る/買う」といった具合に、売買するときのレートを条件として指定する注文方法になっています。つまり、その指定の条件にならない限り、取引が実行されることはありません。
それに対して成行注文は、「レートは指定しないけど今すぐ売る/買う」という方法。価格の条件は指定できませんが、その代わり、基本的にその時点ですぐに取引が実行されます。
このように、成行注文と指値注文は、どちらも基礎的なものでありながら、とても対照的な注文方法なのです。
成行注文のメリットとデメリット
続いて、成行注文のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
成行注文のメリット
成行注文の一番のメリットは、「確実に約定できる」点。指値注文の場合、為替相場が自分の指定したレートになるかどうかは分からないので、いつまでたっても約定できないというケースも出てきます。一方、成行注文であれば、その場での売買となるので、ほとんど確実に約定可能です。待つことなく迅速な売買ができるので、ある程度リアルタイムで為替レートを追える環境の方や、事情があってすぐに売ったり買ったりしてしまいたいときなどに最適でしょう。
成行注文のデメリット
成行注文のデメリットは、「約定するまで実際の取引レートが分からない」ことです。ご存じの通り、為替相場は常にリアルタイムで変動しています。注文を出してから約定するまでにはタイムラグがあるので、その間にレートが変わってしまうというのはよくある話なのです。自分に有利なレートになるのであれば良いのですが、もちろん不利なレートに変化してしまうこともあります。特に相場変動の激しい時には、ある程度こうしたレートの変動を念頭に置いておかなければなりません。
また、成行注文の場合、相場の動きを追って実際に確認しながらの注文/取引となるため、時間がない方には少し使い勝手が悪いかもしれませんね。
成行についてのまとめ
ここでまとめとして、今回ご紹介した内容の中から、重要なポイントをピックアップしてみます。
- 成行(成行注文)とは、レートを指定せずにリアルタイムでオーダーを出す注文方法のこと
- FXの代表的な注文方法には、成行注文と指値注文の2つがある
- 成行注文のメリットは、確実に取引を成立させられること
- 成行注文のデメリットは、約定するときのレートが事前に分からないこと
「成行」は、FXをするなら避けては通れない重要な基礎用語。ぜひこの記事をおさらいして、しっかりマスターしてくださいね。