ボリンジャーバンドとは何か?
ボリンジャーバンドとは、統計学を基にしたテクニカル指標のひとつ
ボリンジャーバンドとは、統計学の「標準偏差」という考え方に基づいて考案されたテクニカル指標のひとつで、多くの投資家が日々活用しています。統計学や標準偏差と聞くとなんだか難しそうですが、これは大学入試などの「偏差値」と同じ理論になります。
ボリンジャーバンドでは、ある期間の相場価格の平均を算出して、その日の値段がその平均からどれくらい離れているかを見ていきます。簡単に図にしてみると、以下のようなイメージです。
ミドルラインというのは偏差値で言う「50」のことですね。つまり、ある期間の平均値です。そして+1σと-1σというのがそれぞれ偏差値で例えると60と40にあたり、+2σと-2σが偏差値の70と30にあたります(σは統計学で使う単位で、「シグマ」と読みます)。
さて、統計学を基にすると、ここで興味深い事実が浮かび上がります。実は、値動きが±1σの範囲内に収まる確率は68.26%、±2σの範囲内に収まる確率は95.44%、さらに±3σの範囲内に収まる確率はなんと99.73%にもなるのです。こうした事実をベースにしてトレードを行っていくのが、まさにボリンジャーバンドの活用方法だと言えます。
ボリンジャーバンドの活用方法① — 逆張りの場合
ボリンジャーバンドは逆張りでも順張りでも使うことができます。まずは逆張りでの活用方法について見ていきましょう。
先ほど、値動きが±2σの範囲内に収まる確率は95.44%だとご紹介しました。ということは逆に、この±2σのラインを超える確率はたった4.56%だということが言えますよね。そこでたとえば、ボリンジャーバンドのチャートを見て、−2σを超えて価格が下がっていたら「いずれすぐにこのライン内に戻ってくるはず」と考えて買いに動くことできるわけです。
ボリンジャーバンドの活用方法② — 順張りの場合
ボリンジャーバンドはこのように逆張りで活用することが多いのですが、このテクニカル指標の考案者であるボリンジャー氏はむしろ、順張りでの利用を推奨しています。
ボリンジャーバンドの帯(±のσで挟まれたバンド)の幅は、長期的に見れば縮小と拡大を繰り返します。つまり値動きの小康状態がしばらく続いたあとは、新たなトレンドが発生して相場が変動する可能性が高いということです。
例えば、価格が+3σのラインを超えて上昇していったとします。逆張りの考え方をした場合、「+3σの範囲を超える可能性はたった0.27%なのだから、いずれすぐにこのライン内に戻ってくるだろう」と予測して、売りに動くことになりますよね。しかし順張りの視点で見てみると、「+3σの範囲を超える可能性はたった0.27%しかないのに、このラインを超えているわけだから、現在の相場は崩れてこのまま上昇し続ける見込みが高いだろう」と考えられます。そこで逆張りのときとは反対に、ここで買いに動くわけです。
ボリンジャーバンドについてのまとめ
それでは最後に、まとめとして、簡単にここまでの重要ポイントをリスト形式でチェックしてみましょう。
- ボリンジャーバンドとは、統計学の「標準偏差」を基にしたテクニカル指標のひとつ
- ボリンジャーバンドでは、値動きが±1σ に収まる確率は68.26%、±2σ に収まる確率は95.44%、±3σ に収まる確率は99.73%だと立証されている
- ボリンジャーバンドは逆張りと順張り、両方のスタイルで活用できる
ボリンジャーバンドは、一度覚えてコツを掴むと、様々な曲面で活用できる非常に使い勝手の良いテクニカル指標です。ぜひこれを機に、ボリンジャーバンドの考え方に慣れていってみてください!