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米国雇用統計とは何か?

米国雇用統計とは、毎月1回発表される、アメリカの雇用情勢に関する指標のことです米国雇用統計は米労働省が集計・公表しており、失業率や平均時給など複数の項目が同時に発表されます。

米国雇用統計の発表は毎月第一金曜日の朝8時半(現地時間)と決まっていて、この時間には世界中の投資家が米国雇用統計の数字に注目します。中でも毎回大きな注目を集めるのは「失業率」と「非農業部門就業者数(NFP)」です。

非農業部門就業者数とは、農業以外の産業に従事する労働者の数(自営業者は除く)のことで、非農業部門の企業の給与支払い帳簿をベースに計算されています。

米国雇用統計が重要視される理由

米国雇用統計は、アメリカのみならず、世界各国の投資家から重要視されています。それは、雇用統計の結果がアメリカの金融政策に大きく影響するからです。

雇用統計は経済の状態を如実に反映する経済指標ですので、もちろんどの国でも非常に重要だと言えます。しかし投資という観点で見てみると、日本やEUなどアメリカ以外の国では雇用統計の数字が中央銀行の金融政策にダイレクトに響くことは少なく、そこまで高い注目を浴びるわけではないのも事実です。

一方アメリカの場合は、中央銀行にあたるFRBが政策の力点をかなりの配分で雇用状況の改善に置いていることもあり、雇用統計の数字によって金融政策の行方が左右されることが多いのです。

アメリカ経済は、その規模や基軸通貨であるドルの重要性などから、その他の国の経済にも強い影響力があります。そのため、アメリカの金融政策に大きく関わる米国雇用統計の発表が、世界中から注目されるのです。

米国雇用統計とFXの関係は?

アメリカの金融政策に影響する米国雇用統計は、当然FXとも深い関連性があります。

たとえば、米国雇用統計の結果が、大方の事前予想よりも良かったとします。予想より数字が良いということは、雇用状況が改善していることを意味しますから、アメリカ経済の推移が順調だというふうに捉えられます。単純化して言えば、「アメリカの景気が良い」ということになるわけです。

景気が改善されれば徐々に物価が上がりはじめ、そのうちにインフレ傾向になります。するとFRBが、インフレを抑えるために利上げに動く可能性が高まります。利上げということになればドルの人気が高まり、その価値は上昇。つまり、米国雇用統計の数字が良ければ、長期的に見ると為替はドル高になっていく傾向があるのです。

逆に米国雇用統計の結果が思わしくなければ、為替はドル安の方向へと推移していく可能性が高くなっていきます。

米国雇用統計についてのまとめ

それでは最後に、今回の重要ポイントをリスト形式でまとめてみましょう。

  • 米国雇用統計とは、米労働省が毎月発表している雇用関連の経済指標のこと
  • 米国雇用統計の中でも、特に「失業率」と「非農業部門就業者数」が高い注目を集める
  • 米国雇用統計はFRBの金融政策に大きな影響力を持つため、世界中の投資家から重要視されている
  • 長期的に見ると、米国雇用統計の数字が良ければドル高に、悪ければドル安に推移する可能性が高い

米国雇用統計は、FXトレーダーにとっては数ある経済指標の中でも特に重要なものだと言えます。ぜひこれを機に、毎月の米国雇用統計の発表に注目するようにしてみてください!