ブレグジットとは何か?
ブレグジットとは、「イギリス(英国)のEU離脱」のことです。ご存じの通り、イギリスは現在EU(欧州連合)に加盟しています。しかし2016年6月に実施された国民投票において、EU離脱派が僅差で勝利。イギリスはEU離脱へと向けて劇的な舵を切ることになりました。
ブレグジットの決定によって、イギリスは今後数年にわたって、EUと離脱のための様々な厳しい交渉を行わなければなりません。この離脱交渉はEUにとっても未知の領域となりますので、長い時間がかかることが見込まれています。
ちなみにブレグジットという言葉は、英語で英国を表す「Britain(ブリテン)」と、離脱を表す「Exit(エグジット)」を組み合わせた造語です。
ブレグジットの背景
イギリス国内でブレグジットを求める声が高まった背景のひとつとして、移民の急増が挙げられます。イギリスは長らく移民に対して寛容な政策を実施し、東欧などをはじめとして多くの国から移民を積極的に受け入れてきました。
ところが景気が悪化したことで、国内の労働者の間で「移民が職を奪っている」という意識が高まり、文化的な背景の違いもあって不満が募っていきます。しかしEUに加盟している以上、移民政策に関してはEUのレギュレーションに準拠する必要があり、自国だけで自由に何もかもを決めることはできません。
そうした背景の中、その他のEUの規制や、EUへの分担金に対する不満などが一気に噴出し、国民投票、そして離脱決定というムーブメントへとつながっていったのです。
ブレグジットが経済やFXに与える影響は?
「EUの単一市場へのアクセスを失ってしまうのでは」との懸念から、イギリス経済の今後は不透明感が強まっているのが現実です。
またEU離脱によって、ロンドンの金融センターとしての役割が弱まってしまう可能性も指摘されています。実際、いくつかのグーロバル企業や一部の外資系大手銀行は、ヨーロッパにおける拠点機能を、パリやアムステルダムなどといった他国の都市に移すことを決定済みです。
またブレグジット決定直後には、イギリスの通貨であるポンドが大幅に下落し、併せてEUの通貨であるユーロも下落しました。多かれ少なかれ、ブレグジットはイギリスにとってもEUにとっても、中長期的に見て経済的な打撃を与えるというのが大方の見解だと言えます。実際、イギリス内務省のシナリオでは、EUを離脱した場合のGDP成長率は、残留した場合の成長率を下回ると予測されています。
ブレグジットについてのまとめ
ここまで、ニュースでよく耳にする「ブレグジット」についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後に、今回の内容を簡単におさらいしておきましょう。
- ブレグジットとは、国民投票で決定された、イギリスのEU離脱のこと
- ブレグジットの背景には、移民の急増やEUの規制に対する不満などがある
- ブレグジットの決定によって、イギリス経済は不透明感が強まっている
ブレグジットの交渉の行方は、今後のイギリス経済やEU経済に大きな影響を与えます。特にFXなどで投資を行っている人は、引き続き注視しておくべきトピックだと言えるでしょう。