経済成長率とは何か?
経済成長率とは、GDPの伸び率をパーセンテージで表したもの
経済成長率とは、一言でまとめると「国内総生産(GDP)の伸び率をパーセンテージで表した指標」のことです。基本的には、1年ごと、あるいは四半期ごとのGDPの伸び率が経済成長率として用いられます。
GDPというのは、大雑把に言えば「国内で生み出された儲けの総額」です。つまりその国の経済活動の規模を表すわけです。経済成長率はこのGDPが前の年(あるいは四半期)と比べてどれくらい増えたかを示すので、経済成長の力強さや景気の調子が端的に分かります。
経済成長率のベースとなる「GDP」の基礎知識を再確認!
経済成長率は、先述の通り「国内総生産(GDP)」をもとに計算する指標です。そのため、経済成長率について理解したいなら、GDPのことをちゃんと知っておく必要があります。そこでここからは、GDPについて簡単におさらいしてみましょう。
GDPとは、その国のあらゆる経済活動の中で生み出された「付加価値」の総額のこと。
GDPの具体例
たとえばある農家がオレンジを栽培し、それをメーカーに40円で売ったとします。そのメーカーは買い取ったオレンジでジュースを作り、90円でスーパーに卸しました。そして最後にスーパーが120円で消費者にジュースを販売したとしましょう。
この場合、農家が新たに生み出した価値(付加価値)は40円、メーカーが新たに生み出した価値は「90円-40円」で50円、スーパーが新たに生み出した価値は「120円-90円」で30円になりますよね。このように、国内で生み出されたこれらの付加価値をすべて足した総額が、GDPなのです。
GDPの上昇度合いが上がれば(経済成長率が上昇すれば)、その国で新たに創出された価値、つまり儲けが安定して増えたというわけなので、景気が良いということが分かります。
経済成長率がFXに与える影響
経済成長率の良し悪しは、FXトレードにも影響を及ぼします。
たとえば日本の経済成長率が好調で、伸び率が上昇したとしましょう。経済成長率が上がったということは、日本経済の状態が良いということですから、日本銀行は景気の過熱を抑えるために、利上げを検討し始めます。実際に利上げとなると、日本円を保有しておきたいという投資家が増え、日本円の人気は上昇。結果として円高になる可能性が高まるのです。
それでは逆に、経済成長率の数値が悪くなるとどうなるのでしょうか?
経済成長率が良くないということは、景気が悪化しているということですよね。そのため日本銀行は、お金の巡りを良くして景気を刺激するために、利下げを検討し始めます。利下げが実施されれば日本円を保有するメリットが薄れるので、日本円の人気は下降。
つまり、為替相場が円安の方向に進みやすくなるわけです。
経済成長率についてのまとめ
最後に、今回の記事の要点をリスト形式でまとめてみましょう。
- 経済成長率とは、国内総生産(GDP)の伸び率をパーセンテージで示した指標のこと
- GDPとは、その国の中で生み出された付加価値の総額を指す
- 経済成長率が良くなれば最終的に通貨高となる可能性が高まり、悪くなれば最終的に通貨安となる可能性が高まる
FXなどの投資をする上で欠かせない必須キーワードである「経済成長率」。理解があやふやだった方は、ぜひこの記事の内容を参考にして、確かな知識をインプットしておいてくださいね。