カントリーリスクとは何か
FXは、海外の通貨を扱う投資商品ですから、グローバルな要素を持つリスクについても考えなければなりません。今回取り上げる「カントリーリスク」もそのひとつ。カントリーリスクとは、「ある特定の国の政治・経済情勢などが大きく変動し、為替市場や証券市場に影響を与えるリスク」のことを指します。
たとえば、新興国として高い経済成長率を誇るA国で政治的要因によって内乱が発生し、社会情勢が混乱に陥ったとします。こうなると、A国の経済は大ダメージを受け、A国内の多くの企業もまともにビジネスをすることが困難になりますよね。するとそれまで人気のあったA国の通貨や株価は投資家からの支持を失い、暴落する可能性が高まります。仮にFXでこのA国の通貨を保有していたら、大きな損失になってしまう危険もあるわけです。これがまさに「カントリーリスク」だと言えます。
カントリーリスクとFXの関係
上記で触れたように、カントリーリスクによってその国の通貨が暴落すれば、当然FXで当該通貨を買っていた投資家にとっては一大事です。そのため、カントリーリスクで損失を被ることを避けるため、海外のニュース、特に保有している通貨の国の情勢にはなるべく詳しくなっておくことが大切になります。
一般的にカントリーリスクは国としての安定性に欠ける新興国で問題になりやすいと言われていますが、先進国もカントリーリスクと無縁なわけではありません。近年ではそれまで「安全」だと思われてきた国でも大規模なテロが発生したり、国自体がデフォルトに陥ったりする事態も発生していますから、油断は禁物です。
カントリーリスクに対処するために必要な心構えとは?
こうしたカントリーリスクには無数の要素が絡んでおり、完全にリスク発生を予測することはほぼ不可能です。ただ、主要なリスク要因を把握し、前もって準備しておくことは誰にでもできます。そのためのポイントは、何と言っても「持っている通貨の国の情報に常にアンテナを張り、内情に詳しくなる」という一点につきます。
特にその国の通貨を長期保有する場合は、なるべく日頃からにニュースや情報をチェックするようにしましょう。こうしてその国の情勢に触れておくだけでも、いざというときに迅速な行動を取れる可能性が高まります。投資においてはまず「情報収集」をすることが鉄則です。あまり海外のニュースを気にしていなかったという方は、これを機に国際ニュースに普段から触れることを心がけてみてくださいね。
カントリーリスクについてのまとめ
それでは最後に、今回ご紹介した内容の中から、重要なポイントをリスト形式でピックアップしてみたいと思います。
- カントリーリスクとは、ある特定の国の政治・経済情勢などが大きく変動し、為替市場や証券市場に影響を与えるリスクのこと
- カントリーリスクには戦争や内乱、国家のデフォルト、テロ、政治体制の変更などさまざまなものがあり、先進国も完全に無縁なわけではない
- カントリーリスクに迅速に対処するためには、普段からその国の情勢に詳しくなっておくことが大切
海外の通貨を取り扱うFXでは、どうしてもこのカントリーリスクが常につきまといます。日頃から、保有している通貨の国の情報をこまめに収集するようにしてみてください!